トコジラミやダニは、見えない場所に潜みながら家の中で増殖し、私たちの健康に深刻な影響を与えることがあります。
特に、トコジラミやダニの存在がアレルギーや皮膚疾患、さらには重篤な感染症のリスクを高めることがわかっており、早期の駆除や日常の予防が大切です。
ここでは、トコジラミやダニがもたらすアレルギーや病気のリスクについて解説します。

1. トコジラミによるアレルギーと健康リスク

トコジラミ（ナンキンムシ）は人の血を吸って生きている吸血害虫であり、主に夜間に活動して刺すため、就寝中に被害を受けることが多いです。
トコジラミの刺傷による症状は、かゆみや赤み、腫れが特徴ですが、中には刺された部分が炎症を起こし、化膿するケースもあります。
トコジラミに繰り返し刺されると、体が過敏反応を起こし、かゆみや発疹がひどくなる「アレルギー反応」を引き起こすことも少なくありません。

トコジラミの刺傷がさらに進行すると、「アナフィラキシーショック」と呼ばれる重篤なアレルギー反応を起こすリスクもあります。
これは、呼吸困難や血圧低下といった症状が急激に現れるため、即座の医療措置が必要です。
トコジラミは健康な成人にとっても問題となりますが、特に乳幼児やアレルギー体質の人には注意が必要です。

2. ダニによるアレルギー症状と疾患

ダニは家庭内でのアレルギー症状を引き起こす代表的な原因であり、特に「ハウスダスト」として知られるダニの死骸やフンが空気中に浮遊することで、呼吸器系の症状が出やすくなります。
ダニによるアレルギーは、アレルギー性鼻炎や喘息、アトピー性皮膚炎の原因となり、慢性的な症状を引き起こします。
ダニアレルギーを持つ人は、ダニが潜んでいる場所で過ごすと鼻水やくしゃみ、目のかゆみといった症状が悪化するため、生活の質が低下しやすくなります。

さらに、ダニのフンや死骸はカーペットや布団、ソファなどに付着し、これが空気中に舞い上がると吸い込んでしまい、呼吸器系の病気を引き起こすことがあります。
特に小さな子どもや高齢者は免疫力が弱いため、ダニによる影響が強く出やすく、日頃からのダニ対策が重要です。

3. ダニやトコジラミがもたらす二次感染のリスク

トコジラミやダニの刺傷部位を掻いてしまうと、そこから細菌が侵入し、二次感染を引き起こすリスクが高まります。
トコジラミやダニの刺された場所は強いかゆみが伴うため、無意識に掻きむしってしまいがちですが、これが化膿してしまうと「蜂窩織炎（ほうかしきえん）」や「とびひ」といった感染症につながることもあります。
これらは皮膚が赤く腫れ、膿を持つことがあるため、放置せず早期の治療が必要です。

また、ダニは皮膚感染症だけでなく「ツツガムシ病」といった特定の感染症を媒介することもあります。
ツツガムシ病はダニの一種が持つ病原菌によって引き起こされ、高熱や発疹が現れる重篤な病気です。
こうした感染症のリスクを防ぐためにも、ダニやトコジラミの駆除が重要です。

4. 健康リスクを減らすための予防と駆除

トコジラミやダニによる健康リスクを軽減するためには、日常的な対策が欠かせません。
まず、ダニは湿度が高く暖かい環境を好むため、こまめな換気と湿度管理が大切です。
特に、布団やカーペット、ソファはダニが潜みやすい場所であるため、定期的な洗濯や高温での乾燥が推奨されます。
さらに、家庭用の防ダニスプレーを使って布製品をケアすることも効果的です。

トコジラミに対しては、プロの業者による駆除が最も確実な方法とされています。
市販の殺虫剤やスプレーは一時的な効果しかなく、完全な駆除は難しいため、専門知識を持った業者に依頼することで再発のリスクを抑えることが可能です。
トコジラミの巣や卵まで徹底的に駆除するためには、専門業者の力を借りるのが最も安心で確実です。

5. まとめ：アレルギーや感染症予防のために日常的な対策を

トコジラミやダニは、アレルギーや感染症を引き起こすリスクを持つため、日常の予防と早期の駆除が重要です。
定期的な掃除や洗濯、湿度管理を行うことでダニを防ぎ、トコジラミに関しては必要に応じて専門業者の駆除サービスを利用することが、健康な生活空間を守るためには欠かせません。